賀川玄悦とは何をした人?江戸時代に日本の産科学を変えた「産論」の先駆者!

 江戸時代中期に日本の産科医学の基礎を築いた賀川玄悦さん。

そんな賀川玄悦さんですが、一体何をした人で、どのように日本の産科学を変えたのでしょうか。

 賀川玄悦さんは、妊婦の腹部を触診して胎児の位置を確かめる方法や、難産を救うための手術的な助産法を研究し、「賀川流産科」を創始した医師として知られています。

 それまでの産科医学は古い医学書に頼るばかりでしたが、賀川玄悦さんは実際に妊婦を診察して確かめるという実証的な方法を取り入れました。

 そこで今回は、

  • 賀川玄悦とは何をした人なのか
  • 江戸時代に日本の産科学を変えた「産論」の先駆者としての功績

について詳しく見ていきましょう。

目次

賀川玄悦とは何をした人?

出典 和楽web

 日本の近代産科学の基礎を築いた賀川玄悦さん。

そんな賀川玄悦さんですが、一体何をした人なのでしょうか。

賀川玄悦さんは、胎児の正常な位置を実証的に確認し、難産に対する手術的な助産法を考案した江戸時代中期の産科医でした。

 賀川玄悦さんは1700年、近江国、現在の滋賀県彦根に生まれました。

本姓は三浦で、幼いころに母方の姓を継いで「賀川」を名乗ったとされています。

京都に出た後、鍼灸や按摩を生業としながら医学を学び、やがて産科の研究に力を注ぐようになりました。

 賀川玄悦さんの人生を大きく変えたのが、難産の女性を救った経験です。

 ある女性の出産に際して、通常の方法では胎児を出すことができなかったため、鉄製の鉤を使って胎児を取り出し、母体を救ったと伝えられています。

 この経験から、賀川玄悦さんは薬だけに頼るのではなく、産婦の身体や胎児の位置を直接確認し、必要なら手術的な方法によって救命する産科を研究するようになりました。

 賀川玄悦さんの最も重要な業績の一つが、胎児の正常胎位を実証的に確認したことです。

 妊婦の腹部を触診する「按腹」などによって胎児の位置を調べ、正常な出産では胎児が頭を下にした状態になることを明らかにしました。

 これは、それまでの経験や古い医学書に依存していた産科に、実際の妊婦を観察するという経験的で実証的な方法を取り入れたものです。

 つまり賀川玄悦さんは、「昔からこう言われている」ではなく、「実際の妊婦を診察して確かめる」という姿勢を重視した医師だったといえます。

江戸時代に日本の産科学を変えた「産論」の先駆者!

出典 子玄子産論

 実証的な産科医学を確立した賀川玄悦さん。

そんな賀川玄悦さんですが、どのように江戸時代に日本の産科学を変えた「産論」の先駆者となったのでしょうか。

賀川玄悦さんは『子玄子産論』、通称『産論』を著し、賀川流産科を確立することで、江戸時代に日本の産科学を変えた先駆者となりました。

 賀川玄悦さんの研究成果をまとめた代表的な著作が『子玄子産論』、通称『産論』です。

 『産論』は18世紀に刊行され、胎児の位置や出産の仕組み、難産への対処などについて賀川玄悦さん独自の考えを示しました。

この書物は、日本の産科学史において非常に重要な医学書とされています。

名古屋大学医学部の医学史資料でも、『子玄子産論』が賀川玄悦さんの代表的な著作として保存されています。

 賀川玄悦さんの名声が高まると、その産科術を学ぶ医師が増えていきました。

こうして形成されたのが賀川流産科です。

賀川玄悦さんは1768年、阿波徳島藩の蜂須賀氏に招かれ、藩医として迎えられました。

 その後も弟子や一族によって研究が受け継がれ、賀川流産科は江戸後期から明治時代にかけて、日本の産科医学に大きな影響を与えました。

 特に賀川玄悦さんの後継者となった賀川玄迪さんは、『産論』をさらに発展させた『産論翼』を著し、賀川流産科の体系化に貢献しました。

 賀川玄悦さんの産科学は日本国内だけにとどまりませんでした。

 19世紀になると、ドイツ人医師で博物学者のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトさんによって、賀川流産科の業績がヨーロッパにも紹介されたとされています。

 これは、江戸時代の日本で独自に発展した産科学が、海外の医学界からも注目されたことを示す重要な出来事です。

まとめ

 賀川玄悦さんは、胎児の正常な位置を実証的に確認し、難産に対する手術的な助産法を考案した江戸時代中期の産科医でした。

 また、賀川玄悦さんは『子玄子産論』、通称『産論』を著し、賀川流産科を確立することで、江戸時代に日本の産科学を変えた先駆者となりました。

賀川玄悦さんは1777年に亡くなりましたが、その功績は今日の産科医学にも受け継がれています。

 これからも賀川玄悦さんの功績を語り継いでいきましょう。

 それではありがとうございました。

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